定義済スキル標準(iCD)を利用したスキル管理の実現~第2回「定義済スキル標準とiCD」

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定義済スキル標準とは

定義済スキル標準とは、特定職種向けに作成されたスキルテンプレートです。

各職務を遂行するためのタスクを分析し文書化している企業は、それほど多くはありません。このような企業がスキル定義を標準化するためには、業務プロセスの分析から始める必要がありますが、定義済スキル標準を利用することで、多大な工数と長い期間を費やすことなく、スキル定義の標準化を実現することができるようになります。

定義済スキル標準の多くは、IT技術者、ロボット技術者といった高度なスキルを要求される技術系職種、もしくは企業内での知的財産管理といった特殊な職種を対象としていますが、営業職といった一般的な職種を対象としているものもありますので、多くの企業で利用することができます。

定義済スキル標準の例

それでは、定義済スキル標準の代表例をいくつかご紹介します。

ITSS(ITスキル標準)

ITSSは、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が作成したITベンダーに所属するIT技術者を対象とした定義済スキル標準です。

11の職種と、その下に35の専門分野が定義されており、7段階のスキルレベルが設定されています。

IPAでは、ITSS以外にユーザー企業のIT部門に所属するIT技術者を対象としたUISS(情報システムユーザースキル標準)と組込みソフトウェア開発者を対象としたETSS(組込みスキル標準)も作成しています。

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出典:ITスキル標準V3 2011 2部:キャリア編(IPA公開資料)

知財人材スキル標準

知財人材スキル標準は、経済産業省(特許庁)が作成した企業内で知的財産管理に携わる人材を対象とした定義済スキル標準です。

知的財産管理に関わる業務を、機能とサイクルの視点から18の分野に分類し、それぞれの分野で必要となるスキル項目とスキルレベルが定義されています。

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出典:知財スキル標準取扱説明書(特許庁公開資料)

URA(リサーチ・アドミニストレーター)スキル標準

URAスキル標準は、文部科学省からの委託を受けて東京大学が作成した研究・教育機関で研究開発活動を管理する人材を対象とした定義済スキル標準です。

研究活動管理に関わる業務を、4つの大項目からさらに詳細な22の項目に分類し、それぞれの分野で必要となるスキル項目とスキルレベルが定義されています。

ロボットSIerスキル標準

ロボットSIerスキル標準は、経済産業省が作成したロボットシステムの導入ベンダーを対象とした定義済スキル標準です。

12の技術区分と、その下に59のスキル項目が定義されており、7段階のスキルレベルが設定されています。

iCD(iコンピテンシ・ディクショナリ)

iCDは、前述のIPAが作成した3つのスキル標準(ITSS、UISS、ETSS)を統合、拡張した定義済スキル標準で、タスクディクショナリとスキルディクショナリから構成されています。

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出典:i コンピテンシ・ディクショナリの概要(IPA公開資料)

タスクディクショナリでは、組織、個人に求められる機能や役割が4階層のモデルで整理、体系化されています。

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出典:i コンピテンシ・ディクショナリの概要(IPA公開資料)

スキルディクショナリは、タスクを支える能力(スキルや知識)を体系化したもので、スキル3階層と知識項目から構成されています。

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出典:i コンピテンシ・ディクショナリの概要(IPA公開資料)

iCDは、ITSSなどのIT技術者向けスキル標準がベースになっていますが、拡張部分には、ラインマネジメント、マーケティング・セールス、総務・人事・経理といったIT技術者以外の一般的な職種も含まれており、ITベンダーやIT部門以外でも利用可能な内容となっています。

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出典:タスク構成図から参照(iCDオフィシャルサイト)

次回は、このiCDを利用したスキル標準化の手順について解説します。

連載記事

第1回「スキル管理とスキル標準化

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