定義済スキル標準(iCD)を利用したスキル管理の実現~第1回「スキル管理とスキル標準化」

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スキル管理とは

スキル管理とは、単に公的資格や社内認定資格の取得状況を管理することではなく、社員のスキルを総合的に管理)することを目的としています。

スキル管理においては、最初に社員に求められるスキルの定義を標準化した上で、スキル項目として設定します。

スキル項目が設定されたら、個々の社員が自己評価を行い、自分の求められるタスクおよび評価項目とのギャップを判定します。同様の評価と判定を上司も行い、それぞれの結果を面談などで調整した結果として、将来求められるより上位のレベルになるために、どのスキルが不足しているかを確認し、次の目標として設定します。

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スキル管理では、社員一人一人についての評価と目標設定が一定の間隔で繰り返されることになります。

この際、最新のデータだけではなく、前回以前のデータも履歴として保存しておくことで、人事担当者や上司が社員のレベルアップ具合を時系列にトラッキングすることができるようになります。

スキル標準化とは

スキル管理を開始する際には、スキル定義の標準化が絶対条件です。スキル定義が標準化されていない場合、スキル評価は本人やマネージャの属人的な基準で行われてしまい、評価の公正性がなくなってしまいます。

スキル定義はタスクとスキルから構成されます。ここで、タスクは特定業務を遂行するために必要な能力要素を指します。

例えば、ITエンジニアが行う「アプリケーションシステム開発・構築」業務に必要なタスクが次のように定義できます。

■アプリケーション開発
■アプリケーション基盤の構築・テスト
■ システムテスト計画
■ソフトウェア方式設計
■ソフトウェア要求分析
■テスト
■運用・移行設計
■開発環境の構築
■業務プロセスの設計

しかし、このタスクの定義では、大雑把すぎて、客観的で公平な評価はできません。そこで、タスクとは別にスキルを定義します。

スキルは客観的で公正な評価が可能であると同時に、研修講座など修得に必要な具体的な施策が設定可能なレベルで定義します。

先ほどのタスク例のうち、「アプリケーション開発」に関連するスキルとしては、例えば以下のようなものが考えられます。

■アプリケーション開発技法と、開発ツールの評価
■オブジェクト指向の活用
■セキュリティ(機密保護、改ざん防止など)への配慮
■ソフトウェア部品やフレームワークの活用
■既存のプログラムソースの解読
■プログラミングツールの活用
■データ構造の理解とSQLプログラミング
■プログラム管理方法の理解と実践
■フローチャートの記述
■プログラムの書き換えによる影響範囲の特定
■処理速度を意識したプログラミング
■単体テスト計画書の作成

これらスキルの洗い出しは、当初はタスクを細分化することで行ってもかまいませんが、多くのスキルは複数のタスクで必要とされますので、最終的にはタスクとは別の体系として管理する方が効率的です。

タスクとスキルは別々の体系として管理されますが、タスクとスキルを関連付けることで、双方から参照できるようになります。

最後に、客観的で公正な評価を可能にするために、各スキルについて習熟度レベルと呼ばれる点数を定義し、合わせて、タスクの遂行に必要なスキルの習熟度レベルの点数も設定します。

タスクとスキル双方の定義と関連付けが完了したら、自己評価や上司の評価が可能になります。

評価はスキル単位で行われますが、タスクと関連付けられているため、特定のタスクの遂行に必要なスキルの習熟度レベルを満たしているか、満たしていない場合は、どのスキルをどの程度レベルアップすれば良いのかが一目でわかるようになります。

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スキル標準化における課題

スキル管理の前提条件となるスキル定義の標準化は、実際にやろうとすると難易度が高く、多くの企業がスキル管理の準備段階で止まっているのが現状です。

各職務を遂行するためのタスクを分析し文書化している企業では、比較的容易にスキル定義の標準化ができますが、そうでない企業にとっては、業務プロセスの分析から始める必要があり、スキル定義の標準化に多大な工数と長い期間を費やすことへの承認を得ることは容易ではありません。

このようなスキル標準化における課題を解決する方法として、特定職種向けに作成されたスキルテンプレートである定義済スキル標準を利用することが考えられます。

次回は、この定義済スキル標準について解説します。

連載記事

第2回「定義済スキル標準とiCD

第3回「iCDを使ったスキル標準化手順

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