タレントマネジメントシステムによる従業員エンゲージメントの向上~第2回「スキル管理による従業員エンゲージメントの向上」

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今回は、従業員エンゲージメントの低下を食い止め、向上させていくための施策としてのスキル管理とタレントマネジメントシステムによるその実現方法をご説明します。

スキル定義の標準化

スキル管理を実施する際には、スキル定義の標準化が絶対条件です。

スキル定義が標準化されていない場合、スキル評価はマネージャの属人的な基準で行われてしまい、評価の公正性がなくなってしまいます。

スキル定義を標準化するには、最初に、現場マネージャが保有している部下スキルの評価基準を分析します。

次に、この分析結果を体系化し、客観的で公平な標準的スキルを定義します。ワンオーワン社のクラウド型タレントマネジメントシステムESIの場合、社員のスキル定義はタスクとスキルから構成されます。ここで、タスクは特定業務を遂行するために必要な能力要素を指します。

スキルは客観的で公正な評価が可能であると同時に、研修講座など修得に必要な具体的な施策が設定可能なレベルで定義します。

ESIの場合、タスクとスキルは別々の体系として管理されますが、タスクとスキルを関連付けることで、双方から参照できるようになっています。また、客観的で公正な評価を可能にするために、ESIの場合、各スキルについて習熟度レベルと呼ばれる点数を定義することができるようになっています。

タスクとスキル双方の定義と関連付けが完了したら、自己評価や上司の評価が可能になります。評価はスキル単位で行われますが、タスクと関連付けられているため、特定のタスクに必要なスキルが現時点でどういう評価になっているかが一目でわかるようになります。

以下の図は、ESIで営業職の「顧客アプローチ」タスクに関連付けられたスキルの自己評価を行う画面の例です。この例では、個々のスキルの習熟度をR0からR5の6段階で回答するように設定されています。

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会社の求める人財像の定義

スキル定義を標準化することで、社員のスキルを客観的に評価できるようになります。

しかし、その結果に基づいて、適切な登用・異動・採用を実施するには、会社の求める人財像を定義する必要があります。この理想的な人財像を、標準化されたスキル定義にマッピングすることで、社員同士の単純な能力比較ではなく、必要とされる人材に誰が近いのか、あるいは、必要とされる人材となるために何が足りないのかを判定することができるようになります。

会社の求める人財像定義は、従業員エンゲージメントの観点からも重要です。社員が会社の求める人材像を、具体的なスキルの集まりとして認識することで、社員自らが会社への帰属意識を高め、自発的なスキルアップに取り組むようになります。

ESIの場合、会社の求める人財像を人材モデルとして定義します。人材モデルには、その理想的な人材像に必要なタスクが関連付けられ、さらに個々のタスクの要求レベルが設定されます。さらに、人材モデル自体にレベルを作成し、それぞれのレベルに対して要求される異なったタスクレベルを設定することもできます。

ESIでは、人材モデル(のレベル)とタスク(のレベル)が関連付けられていますので、現在の人材モデル評価において目標とすべき上位のレベルに対して、具体的に何が足りないのかを可視化することができます。

以下の2つの図は、ESIで営業職の上位レベル「M1」に対して、タスクの観点から何が足りないかを達成度数値やレーダーチャートで表示した画面の例です。この例では、「目標管理」タスクだけが人材モデル「M1」レベルに要求されるレベルに到達していないことがわかります。

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このように、会社や部門が求める人財像が可視化されることで、社員自身が、必要とされる人材に近づくために、どのスキルを強化すれば良いかが明確になり、従業員エンゲージメントの向上に繋がります。

能力開発と個人面談プロセスの確立

標準的なスキル定義と会社の求める人財像定義ができあがっても、実際の個々の社員のスキル(タレント)を向上させるための能力開発目標制度がなければ、絵に描いた餅で終わってしまいます。

能力開発目標制度の具体的な中身は、研修、資格取得、個人面談などから構成されます。このような具体的な制度を公表することで、社員のキャリアパスへの信頼、自己啓発意欲の促進といった従業員エンゲージメントの向上が期待できます。

ESIの場合、各社員が自分の希望するキャリアパスを登録し、ステップアップに必要なタスクレベル、あるいは現在不足しているスキルを自覚し、自らスキルアッププランを考えることができるようになっています。

以下の図は、ESIで自身のキャリアパスを設定する画面の例です。この例では、「リーダー職」のM1をめざし、その後「マネージャ職」のM2、M3を目指す順序指定がされています。

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さらにESIでは、研修講座の受講申請や受講履歴を管理することができます。ESIでは、個々の研修に対して、効果が期待できるスキル項目が紐づけられています。そのため、研修の受講履歴とスキル管理で入力される判定結果から、その研修がタレント(スキル)の向上に寄与した効果を分析することができます。

能力開発目標制度がうまく運用されることで、マネジメントと専門職のキャリアパスが明確になり、最高キャリアへの目標設定を可能にすることで有望人財の流出を抑えることが期待できます。また、個人面談実施記録を一元管理することでマネジメント異動によるコミュニケーションの断絶を回避し、従業員エンゲージメントの低下を防ぐことができます。

以下の図は、ESIで管理される個人面談実施記録の表示画面の例です。ユーザー、すなわち社員側のコメントは社員本人、あるいは上司のどちらからでも入力可能です。また、マネージャ、すなわち上司側のコメントは、社員に対して公開、非公開のどちらでも設定することができます。

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このようにタレントマネジメントシステムを利用したスキル管理を行うことで、従業員エンゲージメントの低下を食い止め、向上させていくことができます。

次回は、もう一つの施策としてOKRをご説明します。

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第1回「従業員アンケートによる従業員エンゲージメントの測定

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