HRテック(HR Tech)とタレントマネジメントの関係~第1回「HRテック(HR Tech)とは」

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HRテック(HR Tech)ということばが最近話題となっていますが、その意味は今一つ明確になっていません。

簡単にいうと、「人事関連業務(HR)を最新のIT技術(テック)を使って改善すること及びそれを実現するシステム」になります。

しかし、どういう技術を使ってどのような業務を改善するのかが具体的に定義されているわけではありませんので、具体的なイメージが湧きづらくなっています。

 

それでは、HRテック(HR Tech)では、具体的にどのような最新IT技術が使われているのでしょうか。大きなポイントは3つになります。

 

HRテックに使われている技術①:クラウド

1つ目のポイントはクラウドです。

従来の人事システムでは、自社でシステムを準備して運用する「オンプレミス型」が主流で、専任のIT組織や潤沢なIT予算をもたない中堅、中小企業は社員情報、給与計算といった必要最低限のシステムを利用することが精一杯でした。

HRテック(HR Tech)では、最新技術を使ったシステムがクラウド型のサービス(Saas)で提供されるのが一般的ですので、中堅・中小企業でも比較的容易に利用が可能になっています。

 

HRテックに使われている技術②:デバイス(端末)

2つ目のポイントは端末です。

今までシステムへのデータの入力あるいは情報の検索は、PC端末から行っていましたが、HRテック(HR Tech)では、社員一人一人が持っている携帯電話、スマートフォンが主流です。今までの人事関連業務システムは、主に人事担当者による利用を前提として作られていたため、一般社員にとっては使いづらいものでした。

一方、HRテック(HR Tech)では、一般社員が携帯端末で使用することを想定した非常に使いやすいインターフェイスが提供されています。

これは、ユーザの利便性を向上させることでシステム(クラウド型サービス)の利用度を最大にするという目的もありますが、もう一つ重要な目的があります。

後で詳しく説明しますが、HRテック(HR Tech)では、一般社員が入力する情報の量と精度が非常に重要でそのためには、社員が直接システムにリアルタイムに正確な情報を入力することが前提となります。

携帯端末からの直接入力は、以前の出社を前提としたPC端末からの入力、あるいは人事スタッフによる代理入力よりもはるかに迅速で正確なデータの収集を可能にしています。

 

HRテックに使われている技術③:ビッグデータとAI

3つ目のポイントは、ビッグデータ解析とAIです。

膨大なデータ(ビッグデータ)を短時間で処理し、統計解析的な高度な分析を行う技術は、ここ数年で飛躍的に発展しています。これと、2つ目のポイントで述べた入力端末の発達が合わさることで、今までは不可能だったさまざまなデータ分析が可能になっています。

同時に、機械学習を中心としたAI技術を利用した業務の自動化技術が発達しています。この技術は主に管理部門の定型業務に適当されており、人事業務も例外ではありません。

次にHRテック(HR Tech)では、具体的にどのような業務が改善されるのでしょうか。

 

HRテック改善される業務①定型業務の効率化・自動化

もっとも近い将来、実用化され普及すると考えられているのが、労務管理における定型業務の効率化、自動化です。

労務管理業務における定型業務は、人事担当者の多くの時間と作業工数を消費するだけではなく、一般社員から見ても、手続きの煩雑さ、人的作業によるミスのリカバリーといった「やる気を削ぐ」面ばかりが目立ってきました。

HRテック(HR Tech)では、主にAI技術を利用して、これらの定型業務の効率化、自動化を実現しています。対象となる定型業務は多岐にわたりますが、代表的な例としては、社員の入社/退社手続き、扶養家族の追加/削除、社員の住所変更、報酬月額の変更などがあります。

 

HRテック改善される業務②社員の動向予測

労務管理分野の次に期待されているのが、社員データの一元管理を前提とした、ビッグデータ解析による社員の動向予測です。

具体的な事例として代表的なものが、社員の退職リスクの算出です。

過去の退職者のデータから退職に至る要因を分析し、待遇改善を図ることで人材の流出リスクを回避することができるようになります。

ただし、この分野は、労務管理分野とは異なり、ビッグデータ解析の技術が効果を発揮するためには、多種多様な人事関連データを正確に長期間にわたって蓄積し、一元的に管理することが必要となります。まさに、ここがHRテック(HR Tech)とタレントマネジメント(システム)の接点といえます。

 

次回は、このポイントを正しく理解していただくために、実際の退職者リスクの分析を簡単な例を用いて、統計解析知識のない方にとってもわかりやすく解説します。

 

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