人事評価とタレントマネジメントの違い~第1回「そもそも目的が違う」

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「タレントマネジメント」という言葉が最近トレンドとなっていますが、その意味を正しく把握している方は意外に少ないのではないでしょうか。

その原因は、以前からある「人事評価」との違いがきちんと理解できるような情報が提供されていないことが原因のように思われます。

そこで、この連載では、「人事評価とタレントマネジメントの違い」について、4つのテーマに沿って、説明したいと思います。

 

第1回のテーマは、「そもそも目的が違う」です。

 

人事評価の目的

人事評価を行う最終的な目的は給与や賞与の金額を決定することにあります。

給与や賞与の金額は、社員の個人的な生活に関わる問題ですから、企業内の業務の中でも極めて関心が高く、人事部門は、人事評価における公平性や客観性を保つために大変な苦労をしています。

しかし、人事評価でいう公平性や客観性はあくまでも相対評価の枠組みの中に限定されます。

なぜなら、社員に支払う給与や賞与の金額には、原資と呼ばれる総額が必ず設定されているからです。

つまり、人事評価とは、「Aさんがこれだけの成果を上げたから給与がいくらになります」ではなく、「AさんはBさんよりもより大きな成果を上げたから」、「Aさんのあげた成果は、Aさんの所属する部門の中で何番目に位置するから」という理由付けで給与や賞与を決定するプロセスということになります。

例えば、2つの部門に100人ずつ社員が所属しており、最高評価が上位5%だとすると、原則として最高評価を得る社員は、各部門から5人ずつになります。

片方の部門がもう一方の部門よりもより大きな成果を上げているとしても、片方の部門で10人が最高評価を受け、もう一方の部門では最高評価がだれもいないということはありません。

このような矛盾を解決するために、仮に全社員を1つのグループとして最高評価を選考するとしても、前年度より成果が上がったからといって、今年度は最高評価が上位10%まで拡大されるということもありません。

つまり、人事評価は、原資の配分という本質的な目的がある以上、相対評価という大原則の枠組みの中でしか、公平性、客観性を保つことはできないのです。

 

タレントマネジメントの目的

一方で、タレントマネジメントの目的は、個々の社員のタレント(スキル)の把握と向上がゴールになります。

そのための評価基準は、人事評価のような相対評価ではなく、絶対評価になります。

「AさんはBさんよりもスキルが高い」という事実は、タレントマネジメントの結果として判定が可能になる情報の一つではありますが、その前に、「Aさんのスキルは、XXXという客観的な基準を満たしている」という判定を行うのがタレントマネジメントの最初のゴールになります。

しかし、絶対評価を行うには、ある客観的な基準を事前に設定しておく必要があります。

これが曖昧だったり、時間の経過とともに変更されるようなことがあると、評価の公平性が失われることになります。

つまり、タレントマネジメントを行うためには、最初に、絶対評価を行うために必要な客観的な基準を設定する必要があるということです。

 

人事評価とタレントマネジメントの違い

人事評価は、事前の厳密な基準設定がなくても実施可能ですが、タレントマネジメントはそうではありません。従って、タレントマネジメント業務を支援する「タレントマネジメントシステム」には、必ずこの基準設定機能があります。クラウド型タレントマネジメントシステムESIの場合、最初の基本的な判定基準としてスキル定義を行うようになっています。

クラウド型タレントマネジメントシステムESIの場合、社員のスキル定義はタスクとスキルから構成されます。ここで、タスクは特定業務を遂行するために必要な能力要素を指します。ESIの場合、タスクとスキルは別々の体系として管理されますが、タスクとスキルを関連付けることで、双方から参照できるようになっています。

また、客観的で公正な評価を可能にするために、ESIの場合、各スキルについて習熟度レベルと呼ばれる点数を定義することができるようになっています。

タスクとスキル双方の定義と関連付けが完了したら、自己評価や上司による評価が可能になります。評価はスキル単位で行われますが、タスクと関連付けられているため、特定のタスクに必要なスキルが現時点でどういう評価になっているかが一目でわかるようになります。

 

ESIでの自己評価

以下の図は、ESIで営業職の「顧客アプローチ」タスクに関連付けられたスキルの自己評価を行う画面の例です。この例では、個々のスキルの習熟度をR0からR5の6段階で回答するように設定されています。

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