事例詳細:日産トレーデイング株式会社様

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ESI導入で、140日分の工数を削減。今後は、定量データをベースにした人事施策で、タレントマネジメントを推進していく。

写真:日産トレーデイング株式会社 左:湯浅様 右:相原様

ESI導入で、システム担当者が不要に
「戦略的に採用との接続や人財配置を行っていきたい」

会社プロフィール

  • 日産トレーデイング株式会社
  • 創立:1973年4月10日
  • 資本金:3億2千万円
  • 従業員数:1,300人(2019年3月現在、グループ連結)
  • 事業内容:日産自動車グループ内における商社。自動車部品および材料の輸出入ならびに国内外販売、自動車及びサービス部品の輸出入を行う。

話者プロフィール

  • 人事グループ 人材開発チーム 課長 相原 学 様
  • 人事グループ 人材開発チーム アシスタントマネージャー 湯浅 潤 様

社員増加に伴い、エクセルでの評価運用の限界を痛感し、ESIを導入

ESI(Enterprise Skills Inventory)導入の背景について、お聞かせください。

相原様:人事評価を目的に導入しました。弊社は、業績評価とコンピテンシー評価を、エクセル管理して紙ベースで運用していました。紙運用は、良い面もありますが、社員増加に伴い良くない面が顕在化してきていました。

具体的には、『集約』です。各部署に評価依頼をするにあたり、例えばA課長が5名の部下を抱えているとすると、その5名分の評価集約用のエクセルシートを各部署に送付し、評価依頼を行っていました。

会社が小さい所帯であればそういった手作業を続けていけばよかったかもしれませんが、所帯が大きくなり、最大で80セクション分のパッケージを作ってメール配信をしていました。評価の準備期間になると、担当者は、一週間近く夜遅くまで対応に追われるような状況でした。

さすがに何とかしなければということで、システム導入を検討し始めました。

写真:相原様

-なぜESIだったのでしょうか。

相原様:ESIの他にも5~6社で検討しました。結論としては、当社の要望を全て叶えるようなシステムは、他にはありませんでした。

当社は日産グループ全体のコミットメントアンドターゲットという、業績管理の方法があります。それは期初に業績目標を設定し、期末のタイミングでその到達度を評価するというものであり、2段階のプロセスを経なければいけません。

また、人物評価はコンピテンシー評価です。コンピテンシーを集約したコンピテンシーディクショナリーから、10項目ほどピックアップし、そこに対する到達度を見ていくといったものです。

さらには、評価者からの評価だけではなく、被評価者の自己評価というプロセスも加わります。これら全てを管理するというシステムは他社様にはなく、カスタマイズに応えて頂けるESIに辿り着きました。

-導入内容について、改めてお聞かせください。

相原様:評価全般に関するシステム導入ということです。エクセルベースの目標管理シートは撤廃し、全てシステム上での運用に変えました。これまでの経歴や向こう3年・10年の目標、資格などを記載したキャリア開発シートの運用もしていますが、それらをはじめとした評価に関わる全ての情報も、システム上で運用するようになりました。

ESIを導入したことにより、人事・社員合わせて約140日分の工数削減を実現

-実際に導入してみて、変化はありましたか。

相原様:まず、評価に関わる全社の工数が激減しました。具体的には、人事・社員合わせて、約140日分もの工数削減につながりました。評価だけで30工程ほどありましたが、その約半分はシステム化することで、業務としては手離れしました。

また、以前であれば、3月〜5月の評価業務の人事担当者の労働時間は、月70時間程度の残業が発生していましたが、今年は45時間におさまったので、ざっと100時間分の残業を削減できたということだと思います。

小さなことでは、これまでは、評価が始まるというタイミングで、本部長にメールを出し、それを部長・課長・一般社員といった風に数珠つなぎで落としてもらうという手順を踏んでいました。今では、「評価週間がスタートしますよ」ということを社内ポータルサイトで報せたら終わりです。

湯浅:副次的な効果ですが、これまでは評価シートをきちんと書いているのか、評価面談が行われているのかを、正確に確認する術がありませんでした。ただ、システムを導入したことによって、管理者画面に『一次評価中』『二次評価中』と、全てのステータスが表示されるようになった。そうすると、進捗が遅い相手に対して督促がすることができるようになりました。

これまでは、進捗状況はブラックボックスになっていたので、例えば期初に業績目標の設定をしておらず、期末に業績目標を設定して提出することも可能でしたが、現場できちんと評価が運用されているのかを把握できるようになり、できていない人に対してタイムリーにアプローチができることは、管理側として、非常に助かります。

写真:湯浅様

-システム導入が大きな工数削減につながったことがわかりました。一方で、現場の負担についてはいかがでしょうか。

湯浅様:ユーザー側も非常に楽になったと思います。というのも、これまでの評価はエクセルシートに文章を書いて上司に提出していたわけですが、全てシステム上で管理できるようになったことで、内容確認をするにしても、エクセルデータを探さなくても良いし、間違った相手にメール送付することもありません。

工数削減により見えてきた、人事が次に取り組むべきこと

-今後、ESIを活用して取り組みたいことなどはありますか。

湯浅様:近いところでは、評価履歴を蓄積していくことで、『3年連続でA評価が続いているから、昇格対象とする』といった判断ができるようになるのかなと考えています。ただし、まだ目の前の運用を確実にしていくことが最優先ですね。

相原様:将来的にということですが、異動時に活用できるデータになればと思います。当社は商社で、専門の領域でキャリアを積んでいきます。そのため、事業部間の異動は多くありませんが、正確なデータが蓄積して資格やスキルが明確になれば、事業部を超えての異動も可能になるはずです。

今までは、「あの活躍ぶりであれば、他の事業部でも活躍できるのでは」など、経験則で判断していた部分がありますが、定量データに基づき異動の是非を判断できるようになればと考えています。

これは当社だけの課題ではなく、多くの人事の方が感じていることだと思いますが、人事の『勘』というものはあまり当てにはできません。万が一できたとしても、個別の特殊能力で、他の人には引き継げません。いかに定量データから物事を見ることができるのか、という事はとても重要なことだと考えています。

システム導入したことで、ブラックボックスがなくなり、評価シートを書く・評価面談を行うということが、着実に行われるようになったことで、次の課題も見え始めています。成長をかんがみて良い目標設定ができているチームと、皆同じような目標設定にしているなど、再考が必要なチームと、様々あるという実態がわかってきました。

人事の工数が減った分、より適切な目標設定ができるような支援をしていくなど、新たな仕事に取り組んでいけたらと考えています。